ちょうど一週間前の七夕の夜、トークショーをやりました。
場所は丸の内カフェ、ゲストは月刊誌クレアの編集長、井上敬子さん。その週末、丸ビルで行われた七夕イベントの番外編ですね。題して「京都と東京 二都物語 〜編集者だけが知っている京都の真相」。
京都特集は女性誌の定番ですが、実は井上さんは京都生まれの京女。クレアは井上さんが編集長になってからは、表題に「欲張り女」という思い切ったキャッチフレーズを掲げるようになっていまして、ぜひ、世界一欲張りな日本の女性誌の中であえてそれを掲げる雑誌編集長に京都の真相をいろいろと聞きたかったわけです。
京都はこの数年ほど、着物メーカーの小田章さんとおつきあいさせていただいているご縁で、急に私の人生に色濃く登場した場所で、忘れもしない最初の京都はのっけから、祇園は廣島屋の奥座敷、こたつ部屋で舞妓とお酒、というたとえて言えば最初から、日本アルプス踏破のごとくの体験から始まりました。そういうわけで、寺も庭もあんまり知らず、「都をどり」とか「大覚寺の庭で披露される歌舞伎・勧進帳」、「波木井の都々逸」「島原は輪違屋の太夫遊び」みたいな異様にディープな京都の体験ばかり増えているというアンバランスさ。それでも、世界中のどの都市とも違う魅力を京都は持っていて、「ここ、日本じゃないでしょ!」とわけのわからんバラドックスに陥ったりもするのです。
井上さんの言葉でいろいろと京都の真相はあきらかになったのですが、エピソード的にツボに入ったものをいくつかご紹介しましょう。
ひとつは彼女の母校である同志社中、高における女子ヒエラルキーの存在。まあ、これ世界中どこのお嬢様校にも見られる女子間の階層で、アメリカではチアリーダー部やソロリティーという親睦クラブがその最上位で家柄もよく、美人という人々の集団です。私の母校の学習院では、スキー部やアイスホッケー部のマネージャー、また、ほとんど活動していない水上スキー部がそういう位置にあったのですが、さすが京都の同志社ともなると、それが「茶道部」っていうんだから凄い。(茶道部、学習院にもありましたが、ただの地味なクラブだったよなぁー)桐野夏生の「グロテスク」に慶応女子校と思われるお嬢さん校の女格差ヒエラルキーが余すところ描かれていますが、京都のそれはまた格別に上位。匹敵するのは、イギリス王室のポロ部(ホントか?)ぐらいかも。
もう、ここだけで本一冊書けてしまいそうな大ネタですが、そのほかにも、井上証言で確証がとれた、谷崎を巡る京女&日活ロマンポルノエピソードでお馴染みの「京都の女は性的にアグレッシブである」という検証、そして、どこに行っても知り合いに会ってしまうがゆえの牽制の美学などあっというまの 90分でした。
歳取ってから色気と凄みが出るパリ女と京女は、はっきり言って、全女性のロールモデル。といいながら、極めて直情的に子供っぽい私にとって、井上さんのはんなり優しいのにそこはかとなく腹黒い(誉め言葉ね!)感じはやはり京都の血を見る思いでした。
京女。
井上さんも凄いけど、在住の方々に超強力な女性たちがいるので、ぜひ、このようなトークショーの機会を設けて皆様に紹介したいものです。
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