この週末、とうとう著作としては初めての男性論である『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』を角川書店から出しました(いや~大変だったァ)。働くことが当たり前になったり、内なる性欲を肯定できるようになったり、と女性はこの10年の間に変化を遂げてきましたが、実はそれ以上の大変革は男性の方に起こっているのではないか?! というのが、この本を書いた動機です。
それなのに、その変化の真相を受け止められず「無いこと」にしている男性の何と多いこと。モテやビジネス本などの対処療法では、そもそも対応することが出来ない男性の状態と環境をひもとき、分析し、おまけに、「こうやったら、より良く生きていけそう」という私なりの回答を、お節介ながら付けてもみた本です。
『四十路越え!』を含め女性の問題は自分が通ってきた道でもあり、迷い無く執筆できたのですが、男性のソレは着手から2年もかかってしまいました。それはなぜかと言えば、結婚や出産適齢期など自分ではどうにもならない現実が押し寄せ、自分の生き方をを考えなければにっちもさっちも行かない女性と違って、学校→会社の社会的レールに乗ってしまえば、思考停止で生きていける(逆にその方が出世したりもします)男性は、そもそも、生き方について悩み、自分なりのオリジナルな生き価値を模索する必要性がなかったのです。ご存じの通り現在は、そのレールそのものが壊滅しようとしているのに、まだうかうかしているのは、まるで、現在の日本国の状態を見るようなものですよね?
目次の一部を紹介しますと、●男の「競争」意識はシンデレラコンプレックスよりもタチが悪い●高齢化で元気が良い母親の無意識の欲望は息子の恋人化(ゆくゆくは愛の名の下の介護)●「組織のらち外の男は真っ当ではない」という呪い●男は未だに感情を「無いこと」にして生きている●「ニッポン男子in外国」は内に漱石を抱えて生きている●男はひとりの坂本龍一がいればいいという子どもを産みたい女の本音●マザコン上等で生きるやり方●おぎやはぎに見るモテ●四谷怪談、忠臣蔵に看破されていた、集団主義の快楽と安心・・・・・。
男性だけでなく、女性にも読んでいただきたい力作でもあり、そして、この本、よくある女性著者の「だから、男はダメなんだ」系の叱咤激励、単なる社会学的な問題提起の本でもないので、「男がダメなのはわかっているから、これ以上オンナな何か言われるのは嫌だ」と毛嫌いしないで、男性のみなさま、読んでみて下さいな。
http://www.amazon.co.jp/男をこじらせる前に-男がリアルにツラい時代の処方箋-湯山-玲子/dp/4041107261
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