ババババーン(第五の最初)!! ということで、とうとう、爆クラのコンピレーションアルバムシーズの第一弾が発売されました。その名も『爆クラ!-Vol.1 RAVE CLASSICS クラブ耳がハマるクラシック』まさに原点を見つめ直したテーマでございます。
思えば、1999年のニューヨーク、今は無き最強のサウンドシステムを誇るクラブ、トワイロで、巨匠・DJジュニア・ヴァスケスの8時間プレイを体験していたときのこと。彼がつくりあげる一期一会の複雑かつ抽象的、地獄巡りあり天国の光あり、の壮大な音像を踊りながら、「この感覚は、クラシックの交響曲とそっくりだ」と思い至り、それが爆クラの最初の発案だったのですよ。
メロディーの美しさや、コードの響きを愛でるというのも音楽なのですが、クラシック音楽の中にはそれ以外の深遠な表現の沃野がある、それが、今ここのDJプレイに全く同じかたちで現れている、という驚き! バッハやワーグナーと、上半身裸で陶酔して踊りまくるゲイのマッチョが、重なって見えた一瞬、という!
まー、コロムビアの会議室に缶詰になって、選曲をしたのですが、これが大仕事。気鋭のクラシック評論家でもあり、爆クラのゲストとしても出ていただいたことがある鈴木淳史さんとの白熱セレクト。クラブ/DJミュージックは、いろんな形で要素分類できるのですが、たとえば、「北欧テクノのシンプルで氷点下30度のチルに匹敵する曲は何か無いのか」(この回答は、イサン・ユンの「ビリ」ですけどね)とかの成果が二枚組に収まっています。
というところで、選曲ラインナップはこんな感じ。
[DISC1]
1:不気味部分の「耐える」ミックス
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調作品65 ~第3楽章 Allegro non troppo
エリアフ・インバル(指揮) ウィーン交響楽団
2:マルチメディア感覚の映像炸裂
レスピーギ:交響詩「ローマの松」~IV アッピア街道の松
アンドレア・バッティストーニ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団
3:イビザ島の超弩級サウンドシステムでかけたい
レスピーギ:交響詩「ローマの祭」~IV 公現祭
アンドレア・バッティストーニ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団
4:泣きのハウスのど真ん中
バーバー:弦楽のためのアダージョ 作品11
イタリア合奏団
5:壁―カフカ的怖さ
バルトーク:パントマイム《中国の不思議な役人》 作品19 Sz.73 ~最終部分
若杉弘(指揮) 東京都交響楽団
6:バルトークとは、川久保玲的体質とみつけたり
バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽Sz.106 ~第4楽章 Allegro molto
エリアフ・インバル(指揮) スイス・ロマンド管弦楽団
7:エヴァンゲリオン的音楽
バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 作品17 Sz.67~第2楽章 Allegro molto capriccioso
カルミナ四重奏団
8:ループトランスの快感とグルジェフ、ロバート・フリップ
ドビュッシー:「子供の領分」~1 グラドゥス・アド・パルナッスム博士
ミシェル・ベロフ(ピアノ)
9:地中海の太陽―まどろみ系の最高傑作
ショパン:子守歌 ニ長調 作品57
アンネローゼ・シュミット(ピアノ)
10:ラテンフレーバーバリバリ
ミヨー:スカラムーシュ ~ブラジルの女 (仲田守編)
ポール・メイエ(指揮) 佼成ウインドオーケストラ
[DISC2]
1:ドラムンベース的な、疾走と倦怠の合わせ技
ヒナステラ:ギターのためのソナタ 作品47(1976)~IV: Final: Presto e fogoso
福田進一(ギター)
2:偶然性という意志を超えた音楽
ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード~第1インターリュード
高橋悠治(プリペアド・ピアノ)
3:厳しさの先にある気持ちよさ
イサン・ユン:ピリ ~オーボエのための(1971)
ハインツ・ホリガー(オーボエ)
4:ダフトパンク one more timeとの近似値構造
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調~第3楽章 Scherzo. Sehr schnell
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮) ドレスデン・シュターツカペレ
5:なかなかイカせてくれません
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調~第2楽章 Scherzo. Bewegt, lebhaft - Trio. Schnell
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮) チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
6:音響・トランス派の極地
黛敏郎:涅槃交響曲 ~V:カンパノロジーIII
岩城宏之&東京都交響楽団
凄いでしょ? 今かつて、ショパンとブルックナー、レスピーギ、ヒナステラが一堂に会したコンピは無かったと思います。 特に、オススメは黛敏郎の「涅槃交響曲」かな。これ、ホントに白その選曲の様子は、30000字に渡るライナーブックレットに収録。普段の爆クラのあのノリにて、語り倒しています。
世の中にはすでにジャズ、ロック、ブルース、レゲエなどポッブスの部分でツウに音楽を追い求めている耳の肥えたリスナーが存在します。この爆クラコンピはそんな「真に音楽好き」の人々の自宅ラインナップに加えていただきたく思います。
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