「オペラ、三島、ヨーロッパ車とくりゃ、俗物三種の神器じゃねえか!」~『美味しんぼ』
へへっ、どーもすんまへんっ。
美味しんぼの山岡のダンナにそう言われちゃいましたが、これは言い得て妙の発言。そう、オペラは俗と欲のかたまりである人間さまの声のありったけが、「そんなはず、ないじゃん」というようなドラマチック&ロマンチックな物語を舞台に結集した芸術ゆえに、官能オリエンテッドな人々の心を捉え続けてきた表現なのですから!
クラシック音楽を爆音で聴く「爆クラ」。第今回はゲストに、稀代のオペラ通として知られ、オペラ「Jr.バタフライ」などの台本作品もある小説家の島田雅彦さんをお迎えして、めくるめく楽曲と歌手たちの魅力を存分に紹介していただきます。第3回目には、マリア・カラスという稀代の歌手を深掘りしましたが、今回は”オベラ”という舞台芸術とその歌手たちのオールスター大会、なのです
題して、「 甦るGOS48 (グレート・オペラ・シンガーズ)」
タイトルは一瞬、蘇るGSかと思ってしまいますが、タイガースや筒美京平の代わりに、パバロッティー、マリア・カラス、ヴェルディ、ワーグナー、ブッチー二が登場。島田さんの「海よりも深いオペラ愛」から発せられる、刺激的なオペラ論を、爆音とともに堪能する一夜です。
ゲストの島田雅彦さんご本人からいだたいたコンセプトは、「ハーデスの薄暮から聞こえてくる20世紀往年のオペラ歌手たちの声を堪能し尽くす夜」。フフフ、素敵でしょ? ハーデスとは、ギリシャ神話の冥府の神。人々の心をその声で千々に乱れさせ、快楽の扉を開けてしまった罪で、名歌手たちの魂は地獄に落ちているやもしらず、その声を召還する、という試みになることは必須。
参考資料↓
ワグナー『ローエングリン』 ブラシド・ドミンゴ
プッチーニ『トスカ』マリア・カラス
そう、オペラは人間の愛と死を、人間の本能に直接話法で訴えてくる芸術。ご本人、文壇きってのグルメであり、ヨーロッパ史にも詳しい島田さんが、作曲家と歌手たちにどう切り込んでくるのか?! 少数のディレッタントが育ててきた20世紀の西洋音楽の中の大輪の花を 、今宵はじっくりと堪能しましょう。
教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。録音とクラブ音響という現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能していただければ幸いです。
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Yuyama Reiko presents
爆クラ 第七夜「 甦るGOS48 (グレート・オペラ・シンガーズ)」
11月11日(金)19:15開場(ひみつの映像有り)、20:00開演
音楽実験室 新世界【六本木通り沿い。西麻布と六本木の間、ディスコa-lifeの並び】
料金;¥2,000+ドリンクオーダー
¥1,000+ドリンクオーダー(学割)
予約をぜひ!
http://shinsekai9.jp/2011/11/11/bakukura7/
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曲目予定
1、モーツアルトとサリエリ
「ドン・ジョヴァンニ」から
Madamina ! Il Catalogo e questo ローランド・パネライ(B)
Fin ch’han dal vino calda la testa ニコライ・キャウロフ(B)
サリエリの隠れた傑作 チェチリア・バルトリ(MS)
2、テノール・レッジェーロの魅力
ロッシーニ 「タンクレディ」「アルジェのイタリア女」
「ウイリアム・テル」「オテロ」から
テノール ホセ・カレーラス、クリス・メリット、フランシスコ・アライサ ほか
3、マリア・カラスのコロラトゥーラ
ドニゼッティ、ベッリーニの名アリア
夢遊病の女 ルチアから
4、ヴェルディ マッチョ礼賛 二〇世紀の名歌手列伝
「運命の力」から ドン・カルロとドン・アルヴァロの二重唱
「オテロ」から Esultate! と「イアーゴの信条の歌」
「アイーダ」から ラダメスのアリア
「仮面舞踏会」から おまえこそ心を汚すもの
「イル・トロバトーレ」から 見よ恐ろしき炎を
テノール マリオ・デル・モナコ、ベニアミーノ・ジーリ、ホセ・クーラ、ラモン・ヴィナイ、エンリコ・カルーソー、ユッシ・ビヨルリンク、ルチアーノ・パヴァロッティほか
バリトン ティート・ゴッビ、エットーレ・バスティアニーニほか
5、勇気がワグナー
「ローエングリン」から In fernem land プラシド・ドミンゴ(T)
「ワルキューレ」から Wintersturme wichen dem Wonnemond マリオ・デル・モナコ
6、ヴェリズモの美メロ
「アンドレア・シェニエ」から Un di L’azzuro spazia Come un bel di d’Maggio
「道化師」から 衣装をつけろ
「ウエルテル」から 春風よなぜ私を目覚めさせるのか
テノール フランコ・コレルリ、カルロ・ベルゴンツイ、ジュゼッペ・ディ・ステファノ
7、商売上手のプッチーニ
「マノン・レスコー」より Donna non vidi mai
「トスカ」より 歌に生き恋に生き
「蝶々夫人」より 二重唱
ニコライ・ゲッダ、マリア・カラスほか
8、島田雅彦氏のお気に入り
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ゲスト
島田雅彦(しまだまさひこ)
小説家。東京外語大学外国学部ロシア語学科卒業。大学在学中の83年,『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。芥川賞候補となる。『彼岸先生』で泉鏡花文学賞を受賞。初期の作品に『ドンナ・アンナ』という表題があるように、オペラに造型が深く、皇室をめぐる血族4代の恋愛を描いた『彗星の住人』を発表のその後、「Jr.バタフライ」として2004年に自信の台本にて、三枝成彰作曲にてオペラ化された。他にも同作曲家とのコンビで「忠臣蔵」などの作品がある。法政大学国際文化学部教授。芥川賞選考委員。
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