要するに、脇と腹の肉も総動員するとこういうバストに
恐るべし。コルセットの威力。
100年ぶりにウェスト出現。
前人未踏の快挙を成し遂げたドリームチーム。左から、カメラの半沢健さん、AD!野宮真貴さん、ヘアメイクの富沢ノボルさん。
シャンパン乾杯。
左の美女は最近痩せた担当編集の家倉ちゃん、右が編集長の松下ちゃん。まっちゃんの頭に隠れちゃったADの奔保さん。
就寝前の安らかな時間にネットサーフィンしていた方々、ごめんなさい。いやいやー、みなさん、びっくりしたことでしょう。
不肖、湯山人生初のスタジオ、モデル撮影がこのたび実現したのでご報告します。大好きなボディーパフォーマー、アニー・スプリンクルのアートの中に、普通のオバハンをピンナップポルノスターに変身させる「THE TRANSFORMATION SALON」というのがあるが、まさしくそれ。
マニアの皆さんのためのおふざけグラビア、もしくは、自費で年賀状撮影か(一度やってみたいものだ)と思いきや、ちゃんとしたお仕事なのですよ。しかも、堂々、エクザイルや市川海老蔵という面々が表紙を飾る、ハードコアで男伊達の人気メンズファッション誌「The COVER magazine」の11月号のページを飾るのじゃ。
なぜ、こんな事態になったかと言いますと、編集長の好漢、松下和裕氏から連絡があって、青山で水炊きを食べたのがこの夏。彼曰く、
「いやー、今の軟弱な若い男に精神注入棒を入れる連載をぜひお願いしたいんですよ。湯山さんいつも飲んでは若い男に説教垂れてるアレを男は待っているですよっ。ほら、僕なんかの世代はさ、ホットドッグプレスの巻頭Q&Aの北方謙三ページを読んで、男の道と言うものを知ったわけです。つべこべ言わず、男はソープへ行け! そう、これを湯山さんから今、若い男性に言っていただかないと、若い男は洋服ばかり買い続けて、日本国の将来は大変なことになってしまいます」
若い男が服を買って内需拡大すれば日本国は助かるんじゃないのかと思うのだが、うー、これあまりにも無謀すぎる! だってさ、こーんなクロームハーツなイケメン狙いの読者たちが、何で今さら、アラフォーどころかアラフィフのババアの説教を聞くとは思えん、と辞退申し上げたのですが、なおも食い下がる松下氏。
「いや、大丈夫です。そのために作戦があります。最初にグラビア撮影をしてガツーンとかましましょう! 昔、釣りキチ三平で読んだ、ハンマーで石を叩き、その音で眠った魚を気絶させて採るガッチン漁という伝統的な漁法があるんですが、それでいきましょう!」
というわけで、野宮真貴さんにちらっとその話をしたら、「やるやる~。面白すぎる。私、ADやる~」ということで、あれよあれよとカメラ、半沢健、ヘアメイク、富沢ノボルというドリームチームが組まれちゃったんですね。
ーーこのくびれがいいね」と君が言ったから10月23日はウェスト記念日
野宮説によるととにかく洋服はウェストくびれ勝負と言うことで、急遽、その道のパイオニア、ベビードールの緑川みらの氏に相談し、あれよあれよと衣装が決定。PV素材で作った打ち掛けに帯ならぬコルセットで挑むことになったわけです。打ち掛けは参考商品で作ったもののあまりにも原価が高くなってしまって商品化はあきらめた商品。いつもお世話になっているカシケイブラウンダイアモンドさんからは、今期の新商品、EAST AND WESTのラインからハイジュエリーをバーンとお貸しいただいて、確かにガッチン漁としての威力はマックスバリューに。
そして、ご覧の通り、100 年ぶりに我が身にウェスト出現! これだけでもう、見違えるほどのスタイルができあがったのです。着物の帯よりも胸を圧迫しないだけに全然、苦しくないのにびっくり。今までこの威力を知らなかった私がバカだった。これ一発でハイブランドドレス、全部イケますよ。
いつもはライトの向こう側にいる自分が、被写体を経験するというのも相当面白い経験でした。まず、思い知らされるのが、自意識と見た目の大きなギャップです。「きっと、こうなっているはず」ともくろむ表情とポーズが、次々とモニターに現れる形に全く現れてこないという乖離がものすごい。イメージと実体がついていかないわけで、まるでスキーの初心者のようです。このあたりプロの野宮氏に尋ねると、撮られなれるとその乖離の幅がほとんどなくなる、のだそう。
あとですね、途中から明らかに表情がキマリ出した瞬間があり、みんなが一斉に「入ってきたねー」と誉めてくれるのですが、撮られている自分の内面にはまーったく心境の変化が無いんですよ。なのに、明らかにモニターで見ても愕然と、撮り始めと違う表情が出てきている。これ、何なんでしょうかね。無意識領域の仕業としか思えない境地が立ち現れてくるのです。ほら、英語ってさ、あるときから突然、バーッとしゃべれるようになるじゃない、それに似た感じなのかも。
感覚としては、私ひとりにスタッフ全員が対峙している一対多勢の感じ。スタッフの働きをもの凄く精緻に観察することになります。映画俳優やモデルさんって、わりと最初から名監督やカメラマンに転化することができるでしょ? その意味が少しだけわかったような気がします。なぜならば、彼女、彼たちは、制作の現場を最も”知る”ことができる立場にあるからです。
撮影時には、もちろん「キレイだ、美しい」という言葉を全員から矢のごとく浴びるのですが、これも凄まじい快感です。女という文化装置の中にはこの”キレイだ賞賛”はもはや血肉化しているのだなあー、とあらためて実感。しかしながら、これ、モテとは同じ様でいて違うタームなんですね。モテはほとんど、人間力というか色気も含め内面の問題が大きく占めるので何だか仕事とか偏差値っぽい。
しかし、"キレイ"ということはそのあたりをぶっ飛ばす暴力的な力を自覚し形として宿すようなことになるわけで、自分、そういえば、そこのところの自助努力を最近とーんとしていなかったことに気づきました。これ、ダイエットの強力なモチベーションになるかも。←ホントか。といいつつ、「このままでも、いざというときにはコルセットでキメるぜ」という逃げ道も知ってしまい、アンビバレンツな毎日が続きそうではあります。
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